こんにちは、つるりです。
前回は、漢方がどんなものなのかについて解説しました。
今回はいよいよ、更年期障害にどんな漢方が効果的なのか徹底解説します!
漢方は身体全体の状態を見る
更年期障害の原因はホルモンバランスの乱れにあるのは確かだけど、じゃあホルモン剤を飲めばすぐ解決するかというと、そう簡単じゃないんですよね。それに、薬で一部の症状を抑えたとしても、体全体のバランスが整わなければまた別の不調が出てくることも。
ここで登場するのが漢方。
「どうして漢方が効くの?」という疑問に答えるために、漢方の考え方をちょっとだけお話しします。漢方では、体の中のエネルギーや流れを「気・血・水(き・けつ・すい)」という3つの要素でとらえています。このバランスが乱れると、不調が出ると言われています。
例えば、こんな感じ:
- 「気」って何?
気は、体と心を動かすエネルギー。これが不足すると、疲れやすくなったり、元気が出なかったりします。更年期の「やる気が出ない」「疲れが取れない」っていうのは、この「気」の不足が原因かもしれません。 - 「血」って何?
血は、体に栄養を運ぶもの。漢方では「血の巡りが悪い」とか「血が不足している」と考えられると、冷えやホットフラッシュが起こりやすくなるとされます。 - 「水」って何?
水は、体内の水分バランスを指します。これが乱れると、むくみやめまい、そして時には関節の痛みにつながることも。
更年期障害の場合、この「気・血・水」のどれか、あるいは全部が乱れているケースが多いんです。
症状別の漢方のアプローチ
漢方の魅力は、一人ひとりの症状や体質に合わせて処方を変えられるところ。たとえば:
- ホットフラッシュの場合:血の巡りを改善
血流を良くする漢方で、体の熱がこもるのを防ぎます。 - イライラが止まらない場合:気の巡りを整える
気が滞っていると感じたら、心を穏やかにする漢方で解決。 - 疲れやすさやむくみが気になる場合:気や水のバランスを調整
エネルギーを補いながら、余分な水分を体外に排出する効果が期待できます。
漢方のすごいところは、「部分的に症状を抑える」のではなく、「体全体の調和を目指す」ことです。「なんとなく調子がいい」「体が軽く感じる」といった感覚を取り戻すのが漢方のゴールなんです。
漢方で更年期症状を養生する方法
更年期の養生は、漢方の考え方を取り入れた「食養生」と「生活習慣の見直し」が基本です。漢方では、 体を温めて血流を良くすること や、 自律神経を整えること を重視します。以下に具体的な方法を紹介します。
1. 体を温める習慣を取り入れる
冷えは更年期症状を悪化させる大きな要因。冷たい飲み物や生ものを控え、温かいスープやお茶を日常的に取り入れましょう。足元やお腹を温める服装や、湯たんぽ、半身浴もおすすめです。
2. ストレスケアを意識する
漢方では「気の巡り」を整えることが重要です。深呼吸やヨガ、軽い運動を日常に取り入れることで、自律神経のバランスが整いやすくなります。ストレスが溜まると更年期症状が悪化するため、リラックスできる時間を意識的に作りましょう。
3. バランスの取れた食事を心がける
体を内側から整えるために、食事は「気・血・水」を意識した食材選びをしましょう。特に、体を温める食材やホルモンバランスを整える栄養素が含まれるものが効果的です。
更年期養生におすすめの食材10選
- 黒ごま
「血」を補い、肌の乾燥や髪のパサつきを改善。女性ホルモンのサポートにも効果的。 - くるみ
「血」を増やし、体を温める効果があります。イライラを和らげ、精神を安定させる働きも。 - 黒豆
腎の機能を助けるとされる食材で、ホルモンバランスを整え、更年期特有の疲れを軽減。 - 生姜
体を温め、血流を促進する代表的な食材。冷えの改善や胃腸の調子を整えるのに最適。 - 鶏肉
体を温める「陽性」の食材で、エネルギー補給に役立ちます。疲労回復効果も。 - 紅花(サフラン)
血の巡りを改善し、冷えや肩こり、ホットフラッシュの緩和に効果があります。お茶やスープに少量加えて。 - なつめ
「気」を補い、ストレス緩和や血流改善に効果的なスーパーフード。おやつやスープに加えるのがおすすめ。 - ほうれん草
鉄分や葉酸が豊富で、「血」を補います。貧血気味の方や疲れやすい方にピッタリ。 - 山芋
体力をつけ、胃腸の働きを助けます。「気」を補う食材として、疲労回復に効果的。 - ハチミツ
「気」を補い、甘い香りでリラックス効果も。温かいハーブティーやヨーグルトに加えて摂取しましょう。
4. 質の良い睡眠を確保する
睡眠不足はホルモンバランスを乱し、更年期症状を悪化させる要因です。寝る1時間前にお風呂に入ったり、スマホを見ないようにすることで、リラックスして眠れる環境を整えましょう。
5. 漢方薬の活用
更年期障害に特化した漢方薬を取り入れるのも効果的です。専門家に相談して、自分の体質に合うものを選んでください。
漢方薬の選び方と注意点
ここまで読んで、「漢方って良さそう!」と思ってくれたあなた。ありがとう!でもきっと、「でも漢方薬は種類が多すぎてどれを選んだらいいかわからない」と感じていませんか?その気持ち、めちゃくちゃよくわかります。
ドラッグストアやネットを見ても、たくさんの漢方薬がずらり。「これが人気です!」なんてキャッチコピーを見ると、つい手に取ってみたくなりますよね。でも、ちょっと待って。漢方選びは慎重にいきましょう。というのも、漢方は「その人の体質や症状に合わせてこそ効果を発揮する」ものだからです。
漢方の選び方、3つのポイント
- 「症状だけを見て買う」はNG!専門家に相談しよう
漢方薬の特徴は「オーダーメイド」です。同じ更年期障害でも、ほてりが強い人、冷えが強い人、心の不調が主な人など、人によって原因や症状が違います。だからこそ、専門家に相談することが大事。漢方薬局や漢方を扱うクリニックなら、体質や症状をしっかり見極めてぴったりの薬を提案してくれます。 - 体調の変化に合わせて調整する
漢方薬は長く飲み続けることが基本ですが、「一度決めたらずっと同じ薬」というわけではありません。体調や症状が変われば、薬も変わります。例えば、「最近はイライラが減ったけど、疲れやすさが気になる」といった場合、処方が変わることも。 - 信頼できる場所で購入する
漢方薬はドラッグストアでも買えますが、安易に選ぶより、専門の薬局やクリニックで購入するのが安心です。特にネット購入は要注意!品質や適正な量が守られていないものもあるので、信頼性が高いお店を選びましょう。
漢方薬を飲む時に知っておきたいこと
漢方には良いことばかりのイメージがありますが、いくつか注意点もあります。
- 効果を感じるまでに時間がかかることも
漢方は体質を整えるための薬なので、即効性を期待すると「あれ?効かないのかな」と感じることがあります。でも、それは焦らなくて大丈夫!少しずつ変化を感じられることが多いので、短期的な変化よりも「調子が良い日が増えてきた」と感じられるようになったら成功です。 - 副作用もゼロではない
天然成分だからといって、全く副作用がないわけではありません。自分の体質に合わない場合は、かえって不調を感じることも。だからこそ、専門家と相談しながら始めるのが安心です。 - 加味逍遙散(かみしょうようさん):ストレスやイライラが強いときに。
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):冷えや血流の悪さに。
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう):疲労感が強い方に。
まとめ
漢方で更年期症状を養生するためには、「冷えを防ぎ、ストレスをケアし、栄養豊富な食材を取り入れること」がポイントです。体質に合った漢方薬を選びながら、毎日の生活に漢方的な知恵をプラスしてみてください。漢方の世界は奥深い!またご紹介しますね!
では、また次回!
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