【介護】認知症の介護がつらい、イライラする|基本のキ、まずは要介護認定を受ける

つながり
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こんにちは、つるりです。

認知症の家族を介護していると程度の差こそあれ「毎日同じことを繰り返し聞かれて疲れる」「思うように伝わらずイライラしてしまう」「でも心配だから放ってはおけない」「介護ばかりで自分の時間が取れない」という状況になると思います。

私は介護保険が始まった2000年に会社を退職して、2001年から介護の仕事に携わっています。今はグループホームという「認知症の人が少人数で安心して暮らせる」施設を経営しています。最近感じるのは、私がアラフィフになり、入居者さんのご家族の年齢が私の年齢に近づいてきた、ということです。つまり、まだまだ「現役で働いている世代が介護をしている」ということです。

この記事では、認知症の介護で感じやすいストレスと、ストレスや負担を軽減するために介護保険を利用する方法をお伝えします。心に余裕を持てて、親御さんにとっても自分にとっても、より良い介護を続けるためのヒントになれば嬉しいです。

では、いってみよー!

認知症の介護で感じやすいストレスとは

認知症の介護では、精神的・肉体的な負担が重なり、強いストレスを感じやすくなります。

1. 言葉が通じにくいことによるストレス

認知症が進行すると、言葉の理解が難しくなったり、思い出せないことが増えたりします。そのため、介護する側が何度説明しても伝わらず、イライラしてしまうことがあります。

  • 「ご飯を食べてない」と何度も言われる → 「さっき食べたよ」と答えても、またすぐに言われる
  • 「どこに行くの?」「ここはどこ?」など不安そうに聞かれる → 何度説明しても納得してくれず、落ち着かない

認知症の人にとっては「忘れた」のではなく、「記憶として残っていない」ため、本人はただ不安だったりするだけで悪気はないのです。でも、こうした状況が続くと、介護する側も疲れてしまい、冷たく対応してしまうこともありますよね。ポイントは否定せずに共感して聞き流すことですが、何度も同じことを言われてイライラしたり怒ってしまっても仕方ないと思います、人間ですから。そこで自己嫌悪に陥る必要はありません。「認知症だから私が怒ったことも忘れてくれる」と考えましょう。

ただ、あまりにもそのストレスが溜まりすぎると、DVに発展したりする問題が発生します。

2. 生活リズムの乱れによる疲労

認知症が進行すると、今いる場所がどこかわからなくなったり、昼夜の区別がつかなくなることがあり、夜中に起きて部屋をうろうろしたり、不安で大声を出したりすることがあります。

  • 夜中に「家に帰る」と言って外に出ようとする
  • 朝だと思い込み、深夜に着替え始める

自宅にいても「家に帰る」とおっしゃいますし、夜でも朝だと思い込んでいるので(止めても聞き入れませんので、着替えても別に良いと考えるようにしましょう)、介護する側は精神的に疲れて、夜中に起こされることで寝不足が続き、体力的にも限界を感じてしまいます。

このような状態が続くと、介護をする側の健康にも悪影響を及ぼします。

3. 介護と仕事・家庭の両立が難しい

介護をしながら仕事を続けている場合、両立が難しくなり、心身の負担が増します。また、ほかの家族との協力が得られず、一人で抱え込んでしまうケースもあります。

  • 仕事に行こうとすると「行かないで」と言われる
  • 介護が忙しく、自分の家のための時間が取れない

こうした状況が続くと、精神的にも追い詰められ、「誰かに助けてほしい」と思いながらも、周囲に頼ることができずに孤独感を感じることがあります。

このように、認知症の介護ではさまざまなストレスが生じます。では、これらのストレスを軽減するためにはどうすればよいのでしょうか?

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介護のストレスを軽減するための方法

1. ひとりで抱え込まず、周囲に助けを求める

①介護のストレスを減らすためには、「一人で抱え込まないこと」が大切

もう本当にこれに尽きます!

認知症の程度は違っても、介護をすべて一人でこなすのは非常に大変です。特に離れて暮らす場合や仕事がある場合は、ひとりで見るのは無理だと考えてください。真面目な人、優しい人ほど、「私が見てあげなきゃ」と思って頑張ってしまうのですが、介護は先が見えないものなので、最初から気負わず、家族や身近な人に状況をきちんと伝え理解を得てサポートを頼むことが大事です。

②要介護認定を受ける、ケアマネさんと契約をする

それから、何はともあれ申請をして要介護認定を受け(要介護度を把握し、介護保険を使える状態にする)ましょう。
住んでいる地域の地域包括支援センターや役所(近い方でOKです)に行って相談をしたり、近所の人で介護を経験している人に聞いたりして、ケアマネージャーさんと契約をしてください。

プロの話を聞くと、使えるサービスがわかるので安心できると思います。いますぐ介護保険を使わないとしても、必要な時にすぐに使えるように、ケアマネージャーさんと契約をしておくこと(ケアマネさんとのやり取りはお金がかかりません、ケアマネさんの報酬は国から支給されます)、介護認定を受けておくことが大事です。

介護申請は家族でもできますが、地域包括支援センターやケアマネさんにお願いしてやってもらってもどちらでも構いません。特に難しいことはありません。1ヶ月程度で認定調査(親御さんの状態を調査員がチェックします。併せて主治医の先生からも役所に医学的な意見書を提出してもらうことになります)が終わり要介護度が出ます。急ぎの場合は要介護度が決定する前に介護保険を利用することも可能です。ケアマネさんと相談してください。

認定調査の注意点としては、調査の時に限って、いつもよりハッキリ&しっかりしたり、いつもより動けてしまうことがあります。その場合は、日頃の様子をきちんと調査員に伝えることが大切です。ご本人のプライドを傷つけないように別室で別途伝えるのが良いです。また、通院時も普段よりしっかりする人がいるので、主治医にも日頃の様子を伝えておくことが大切です。先ほども書きましたが、調査員のチェックと、主治医の意見書の二つで要介護度が決定します。

厚生省のリンクを貼りますが、これは自分で全てを理解したり覚える必要は全くありませんので、軽く目を通してみてくださいね。みなさん、初めての介護でしょうから、わからないことがあるのは当たり前です。ケアマネさんが伴走してくれますので、安心してください。地域包括支援センターなどの検索リンクがありますのでご参考まで。

関連サイト:厚生省 介護保険について

 

2. 自分の時間を作る

介護に追われると、自分のことを後回しにしてしまいがちですが、短時間でも自分の時間を作ることが大切です。また、自分なりのストレス発散方法を作っておきましょう。

自分を犠牲にしないということを、1番に心がけてください。「お母さん(お父さん)のことを世話してあげたい」という気持ちからの介護のスタートだったとしても、自分を犠牲にしてしまうと「こんなにやってあげてるのに」という気持ちが強くなりどんどん辛くなってきてしまいます。

デイサービス、訪問介護、ショートステイなどを組み合わせて自分の時間を作りましょう。そこは、ケアマネさんがプロなので、しっかりと相談をしてください。ただし、ケアマネさんはなんでも屋ではありません。ケアマネさんの仕事、ご家族の役割というのはきちんと分けて考えましょう。

3.親御さんの資産や自由になるお金(年金など)を把握する

介護のお金は、親御さんのお金を使うようにしましょう。自分の貯金を使うのは、あなたの今後のことを考えても絶対に良くないです。

しっかり資産や年金などを把握して、介護にどれくらいお金が使えるのかを知りましょう。もしもあなたにご兄弟姉妹がいるときは、お金を一緒にしっかり確認して、あなたが立て替えた分などは領収証を取っておききちんと精算することが大事です。

しっかりきっぱり管理しましょう。後見人をつけるなどの方法もありますので、必要に応じて役所で確認してください。

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介護サービスを活用しよう

介護の負担を減らすために、介護保険を利用した介護サービスを活用しましょう。最初は契約などで書類が多くて大変だと思いますが、ここを乗り越えたら一気に楽になります。笑顔で親御さんと接することができるようになります。

1. デイサービスの利用

デイサービスでは、日中の介護を施設に任せることができ、介護者は自由な時間を確保できます。半日のデイサービスだと意外とあっという間で、お昼がつかなかったり入浴サービスがなかったりするので、1日のデイサービスがおすすめです。朝に出かけて、お昼を食べておやつも食べて入浴も済ませてくれれば、家で介護をするという選択をした場合も、介護はとっても楽になりますよね。ご本人も日中に活動することで夜に寝やすくなるというメリットもあります。

選ぶ基準は、近所であることがベストですが、それ以外にも小規模のところや大規模のところ、また施設によって特色も色々あるので、何個か施設を見学することが大切です。自分の目で見るのが1番確実ですが、時間がない場合は、親御さんの好みや性格などをケアマネさんにしっかりと伝えて、合うところを選びましょう。

認知症がある場合は小規模の方がアットホームで落ち着いて通えることが多いですが、もしも徘徊があるような場合は大規模の方が歩くところがたくさんあるので良い、などという視点もあります。ケアマネさんに相談しましょう。

親御さんが新しい友達を作ったり気に入って楽しく通えることが1番ですよね。認知症で友達の名前を忘れてしまったりしても、楽しいという気持ちは消えないので、家でも落ち着いて過ごすことができるようになります。また、今までご両親で二人暮らしをしていたり、ひとりで暮らしていたりした場合、他人との会話が増えることで刺激が増え、認知症の進行が緩やかになったりする場合も多々あります。

2. 訪問介護を活用する

訪問介護を利用すると、ヘルパーさんが自宅に来て、家事や入浴介助などを手伝ってくれます。介護保険でカバーできるのは当然ご本人の分(買い物、食事、掃除など)だけですが、例えば、認知症があってもある程度自立で生活できている人の場合、安否確認も含めて、訪問介護を入れることで、一人暮らしを続けることが可能な場合があります。デイサービスの見送りの時間や、帰りの時間に入ってもらったりすることもできるので、ケアマネさんと相談して上手に取り入れてください。

3.ショートステイを利用する

ショートステイを利用することで、介護する方はまとまった自分の時間を作ることができます。旅行に行ったり、外食に出たり、習い事をしたり、寝たり、自由です。積極的に利用してリフレッシュしてください。

4.施設の入所を考える

一人暮らしや、日中の独居などが厳しくなってきた、同居もキツくなってきた、という場合は、早めに施設の入所を考えましょう。「施設に入れるのは可哀想」と言う人が未だにいらっしゃいますが、そもそも介護に参加していない人の無責任な意見なら無視しましょう。また、ご家族内での意見の相違であれば、ちゃんと見学に行って親御さんに合ったところを選び、笑顔でたくさん会いに行くことができれば、なんら可哀想ではないと考えましょう。面会を考えて、自分が住む地域で探すのがおすすめです。

施設に入所することによって、親御さんは1人の不安な時間が減って他人と交流する機会を得られます。そして、施設で生活を見てもらって、あなたは心にも時間にも余裕ができますので、笑顔でたくさん会いに行ってあげてください。お互いにとって良い距離感が作れることは間違いありません。

施設はいろんな種類がありますので、そこはしっかりと勉強してください。自分たちの時にも使える知識なので、学んで損はありません。認知症の初期である程度自立(見守りや一部介助で食事やトイレや入浴などの生活が可能)の場合は、グループホームがおすすめですが、入居者が少人数(9人ずつのグループ)な上に、施設自体の数が少ないため、入居待ちの人たちもいます。近所で気に入ったところを見つけて空きが出たら連絡をもらえるように予約しておくのも一つの手です。

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まとめ

認知症の家族を介護する方にとってストレスを溜めないために1番大事なのは、ひとりで抱え込まないこと、介護保険を利用することです。

ご高齢で認知症のあるご本人は、今までわかっていたことがわからなくなるという不安はあっても、忘れてしまうことができるので、ご家族が考えるほど大変ではないです。昔の楽しかったことなどはずっと覚えているものなので、たくさん話を聞いてあげてください。

  • 家族や地域の支援を活用したり、友人に話を聞いてもらうなど一人で抱え込まないことが大切
  • ケアマネさんと契約して介護サービスを利用する準備をする
  • 介護にかかるお金はご本人のお金を使う、金銭管理をしっかりする
  • デイサービスやショートステイ、施設を利用するときは必ず見学に行く
  • 自分の時間を作り、リフレッシュすることを忘れない

介護は長い道のりです。無理をしすぎず、使えるものをどんどん活用しながら、自分の心と体の健康を守ることを心がけましょう。

では、また!

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